人材確保対策プランについて(教職員の人材確保) | 三重県議会議員 喜田健児
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人材確保対策プランについて(教職員の人材確保)

令和6年2月27日の議案質疑の内容です。

 

①人材確保対策プランの中に教職員の人手不足の取り組みも含まれること。
②少人数教育は非常に効果がある、しっかり推進していきたい(教育長答弁)
③教育委員会と十分話をしながら検討を進めていきたい(政策企画部長)

ということが確認できました。

引き続き教職員の処遇改善に向けて取り組んでまいります。

 

 

    喜田健児の問題意識

     

    2060年の推計が出されました。8掛けの労働力によって新しい技術を生み出して、今の生産性の確保しなければなりません。

    現存の課題を解決するのは、今を生きる大人ですが、未来で起こる課題を解決するのは子どもたちです。

    その子どもたちが、困難な課題に立ち向かうために、今、大学入試、私立高校の入試が、知識、理解の重視のテストから、思考、判断、表現の力を見る問題に変革をしています。公立高校でも、課題解決型探求学習が盛んに行われています。

    課題を解決して生産性を上げていくのと同時に、この世に生まれたたった一人の生命の尊さが当たり前のように平等に扱われて、幸せに生きる権利が守られているとは言えない日本を変えていかなければなりません。

    その中長期的な対策の要にあるのは、教育です。直面するさまざまな課題を解決するために、教育にお金をかける政治的文化を今作らなければなりません。そうしないと、この日本は危機的な状況に陥いると思っています。
    子どもたちが日本を変える、その視点を持たなければなりません。

    実際の質問のやり取り

    【質問】

    議案第4号、人材確保対策プランについて、質疑に立たせていただきます。

    午前中、代表質問で三谷議員は、即効性の対策、中長期的な対策について問われました。三つの回答がありました。他県からの労働者の注入、それから2番、生産性を上げるIT、ロボット、三つ目、新たな労働力を求めるという答弁がありました。

    各分野でやっていたことをコーディネートする役職を置いて、全庁を挙げてやるということは、行政展開方針にも書いてあります。各産業に通じる人材確保の中長期的な対策は、この三つのうちのどれなのでしょうか。生産性を上げるIT、ロボット、AI、チャットGPT、その中長期的な対策は、生産性を上げるという2番目でよろしいでしょうか、答弁いただいた知事、どうでしょうか。

    【一見知事答弁】

     

    人材確保の在り方について、今やっているようなこととは次元が違うというか、それについてお話を申し上げたところでございまして、人手不足対策、人材確保のために県内の人たちに就職をしていただくということも、これも重要でありますので、それは継続してやるということ、今おっしゃった、御指摘いただいた3点とも別にあるというふうに考えていただければというふうに思っておるところでございます。

    【質問】

    理解するのに時間がかかる答弁だなと思いましたけれども、2060年の推計が出されました。

    8掛けの労働力によって新しい技術を生み出して、生産性の確保をしないといけない。8掛けの労働力で今の生産性の確保をするためには、新しい技術を生み出していく必要があります。それは人間なのでしょうか、ロボットなのでしょうか。これもちろん人間だと思うんですね。

    現存の課題を解決するのは、我々今を生きる世代です。この未来に起こる課題を解決するのは、未来を生きる子どもたちです。子どもたちに、未来において国民の命と財産を守ることを託すことになるんです。

    困難な課題に立ち向かうために、今、大学入試、私立高校の入試が、知識、理解の重視のテストから、思考、判断をその力を見る問題に変革をしております。公立高校でも、課題解決型探求学習が盛んに行われるようになってきております。小中も1人1台タブレットによってICT教育を推進し、未来の生産性向上に一役買っていると私は思っております。

    課題を解決して生産性を上げる、これは今からやっていかないと、人材確保、今の子どもたちは未来において1人3役、4役の仕事をこなすことができないと未来の社会は維持することはできない、ということは、その中長期的な対策の要にあるのは、教育なんです。教育が要にあると言っても過言ではないです。

    子どもの未来を守る予算、その予算が、教育の直面する課題解決に使われているのか、これは非常に重要なポイントです。教員の欠員、私はもうこれまでさんざん述べてきましたけれども、2月1日現在、小学校で29人、中学校で16人、高校、特別支援学校を合わせると50人を超える異常事態です。

    この人材確保対策プランには、教員の確保の記述がありません。これはどういうことなのでしょうか、教員の人材確保の対策が記述されていない、記述されるのかどうか、お伺いします。

     

    【政策企画部長答弁】

     

    お尋ねの教職員の人手不足については、非常に深刻な状況にあるということは把握しておりまして、県としても対策に取り組む必要があるというふうに考えておりまして、人材確保対策プランの中にも、教職員の人手不足に関する取組については、書かせていただいたというふうに考えております。

    実際に、教職員に関する具体的な取組を教育委員会中心にやられることになろうかと思いますが、私どもの政策企画部といたしましては、人材確保に関する情報などを幅広く収集し、より効果的、効率的に進められる方法はないか、そういう部分で参画をしてまいりたいというふうに考えております。

     

    【質問】

    ありがとうございました。

    政策企画部として、人材確保対策プランのほうに教員の人手不足、記述をしていただくということで、記述の内容については、教育委員会という御答弁がありましたので、教育長、どういうような具体的な記述になるんでしょうか、御答弁お願いします。

    【教育長答弁】

    プランの中の記述に関してでしょうか。教員不足対策については、これまでから説明させていただいているように、様々な次世代に対するガイダンスとか、免許を持っているけれども教壇に立っていない者への研修ですとか、そういったものを実施することとしておりまして、そういうことが書けるのならば、記述していきたいと思います。

     

    【政策企画部長答弁】

    すみません、ちょっと言葉足らずだったかも分かりませんが、現在の人材確保対策プランの中で、例えば教員不足については、教職に就いていない教員免許状所有者の方々等を対象に、教職の魅力を発信して教職に就いていただくと、そういうような方策も考えていきたいというふうなことでございます。

    【質問】

    教職の魅力を発信するという記述にあるということで、そこは否定するものではありません。教職はやりがいがあって、一生の仕事にしたくなる仕事であるのは間違いないです。でも、教職の魅力を発信するだけでは、私は不誠実だと思うんです。教職の魅力を発信する後に、でもねと、めちゃくちゃ大変やけれども歯を食いしばって頑張ってな、私はあんまり助けられへんけど、そういう記述があってしかりです。

    その要因をここで申し述べるまでもないはずなんですけれども、法令違反となる過重労働の訴訟、県、市に賠償命令の判決が全国的に下されます。富山市は8300円の損害賠償の命令が下されました。三重県の教育現場でも、病休者130人のうち精神疾患が90人です。その割合76%。他の産業、他の業種においては、精神疾患で病気を取られる割合は30%弱です。この76%ということが起こっている教育現場、そこに対しての対策をセットで発信しないと、私は担い手の確保、人材確保につながらないと思います。

    ですので、部長、「教職の魅力を発信する」に3文字付け足してほしいです。教職の魅力づくりを発信する。「づくり」という言葉を入れていただけないかと、御検討をお願いしたいと思います。

    現場が望む魅力づくり、一番声の大きいのが、学級の子どもの数を減らすということなんです。学級の子どもの数を減らす、30人以下学級の実現です。世界平均20人に近づけてほしいということです。

    こうやって申し上げると、ただでさえ人材がいないのに何を言うてんねんと、教職員の数を増やすなんておかしいやろというふうに思った執行部の方がみえましたら、小学校2年生37人の学級で九九のテストの授業をしてみてください。困難を極めますよ。小学校2年生の教室に37人、35人学級に特別支援学級の子らが2人入って37人、その学級で九九のテストの授業を1回やってみてください。それをやっていただいたら分かります。教職の魅力を取り戻すことができる、それが、30人以下学級の実現だと思っております。

    どんな魅力、それに付随して学力の向上が図れます。いじめ減、不登校減、虐待の早期発見、保護者対応の減、そういうふうなことが付随して起こります。子どもたちが幸せになる力、思考、判断、表現、コミュニケーション能力、その力を育むことができる、その子どもたちの力を引き出してやれる、これこそが教育現場、教職の最大の魅力であるというふうに思います。

    魅力づくりをすれば、もともと魅力があるのだから、人は必ず集まります。三重大学の教育学部の入学生は、1学年200人です。そのうちの8割が、教職を目指します。160人が。でも、教育実習に行って、2割が教職を諦めます。これを魅力づくりを発信したら、その40人が間違いなく確保できると思うんです。

    鶏が先か卵が先かの議論じゃないんです。まず、魅力づくりを発信する。その財政的な負担ですけれども、試算をしていただきました。30人学級を実現すると、私は段階的にでもいいと思うんですけれども、35人中学生やって、30人を低学年やってって、そんなのでいいと思うんですけれども、一気にやると25億円かかるという試算をいただきました。

    これは、一般会計の規模8000億円でいくと0.3%なんです。一般的家庭の月収30万にすると、900円です。たった900円なんです。私が、もし自分の息子、娘がちょっと学校で困っていた、そこを解決するために何かせなあかんって、900円要るんやといったときにやりくりすると思うんです。私のいろんな支出の中で無駄を省いて、ちょっと我慢をして、900円を捻出すると思うんですね。そして、子どもたちのために解決を図る。それは、この30万に対して900円という額からすると、感じていただけるかどうか分かりませんけれども、そうは難しいことじゃないと思うんです。

    人材確保をするために、まずは教育の課題を解決していく、そのために学級の子どもの数を減らす、そして、その中で生産性の高い人材を、未来の困難な課題を解決するためのそういう教育を展開して育成をしていく、そういうことが非常に重要ではないかというふうに思いますが、教育長、どうでしょうか。

    【教育長答弁】

    毎年、私ども、少人数教育に対するアンケートを実施していますけれども、そのとき、学校から返ってくる答えは、授業に   児童・生徒が減ったとか、学習習慣が定着したとか、発表機会が増加した、学習意欲の向上が見られた、落ち着いて学校生活が送れるようになったなど、そういうプラスの評価がめじろ押しという状況でございます。

    教育面からすると、少人数教育は非常に効果があると私どもは思っておりますので、今後ともしっかり推進していきたいと思っております。

    【質問】

    少人数教育にすれば教育効果は非常に高いと、様々な起こり得る成果を言っていただきました。それによって教職の魅力がつくられる、教職の魅力が高まるという点はどうでしょうか。

     

    【教育長答弁】

    当然、教員から見ても教えやすくなりますし、一定の働き方改革にも寄与できるという面もございますし、教員にとって生徒の学習指導がうまくいくというのは大きな喜びですので、そういった面では教職の魅力というのは向上すると思います。

    【質問】

    後田部長、あと5秒ですけれども、検討していただけますか。

    【政策企画部長答弁】

    また、教育委員会と十分話をしながら、検討を進めていきたいと思います。

    【意見要望】

    以上、撤収します。ありがとうございました。

     

     

     

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