教員の欠員、完全代替補充に向けて/学校部活動改革について | 三重県議会議員 喜田健児
ブログ

教員の欠員、完全代替補充に向けて/学校部活動改革について

令和5年第2回定例会(12月6日)の一般質問の内容です。

    喜田健児の問題意識

     

    教員不足の解消に向けて、先日の決算総括質疑で提案していた4つの提案について、再度教育長に見解を伺いました。

    4つ中2つは比較的前向きな答えをいただけたかと思います。

    引き続き、採用されなかった残りの2つについても取り上げてまいります。

    1. 給料表を1級から2級にする件について
      地域手当の差が埋まらないということで実施予定なし。
    2. 採用試験の改革について
      講師を優先的に採用することや、年度内に再度採用試験をすることについては導入をしないとのことです。
    3. 教員の相談のサポート体制の構築について
      本県独自の取組としまして、弁護士等の専門家に相談する事業についてその運用範囲を拡大しまして、さらに活用しやすくするなど、学校トラブルに対する支援の充実に向けて一層の体制強化を図っていく
    4. 教員の負担軽減のための働き方改革について
      スクールサポートスタッフの全校配置の継続を目指していきたい

    教員不足について | 三重県議会議員 喜田健児 (kenjikita81.com)

     

    部活動の改革については、時間の関係で、

    学校部活動の地域移行の進捗状況と令和6年度の取組状況を伺うのみとなりました。

     

     

    実際の質問のやり取り

    【質問】

     

    米百俵の精神を県政に。
    (1)教員の欠員、完全代替補充に向けて。
    (2)も、ちょっと時間が超過してきますので一緒にさせていただきたいと思います。学校部活動の改革についてです。
    10月30日の私の四つの提案に対して、福永教育長は、教員欠員問題、人が足りないことは最重点課題であるとし、すぐにできるものとそうじゃないものがある、知恵を絞って検討するとの御回答をいただきました。
    同一労働をしている講師の給与水準の改善、教員採用試験の改革、新規採用者のサポート体制の構築、働き方改革・タスクを減らす、四つについて検討の結果、もしくは進捗状況について御回答をお願いしたいと思います。
    併せて、学校部活動の地域移行の進捗状況と令和6年度の取組をお聞かせください。

    【教育長答弁】

    それでは、順次回答させていただきます。

    給料表を1級から2級にする件について

    まず、教員不足の解消のために講師に適用する給料表を1級から2級にできないかということですが、本県の教員に適用する職務の級については、条例によりまして、1級を講師の職務、2級を教諭の職務としております。
    これは他県においても同様でございまして、1級を講師の職務、2級を教諭の職務としていることでございますけれども、愛知と名古屋市につきましては、臨時的任用講師ではなく、臨時的任用教諭として任用しまして、給料表2級を適用しています。
    本県において給料表2級を適用するには、臨時的任用教諭として任用することが必要ですけれども、それには、職務内容の再整理、それから同じ2級適用となる正規教諭のモチベーションへの配慮、それから財源確保など多くの課題がございます。
    そして、このことより大きな課題だと感じるのは、国における指定基準に基づき定められている地域手当のことです。
    実は、本県と愛知県及び名古屋市を比較しますと、給料月額はあまり差がないんですけれども、この地域手当の支給割合が三重県は4.7%、愛知県は8.5%、名古屋市は15%と差が歴然としております。このため、仮に給料表2級を適用したとしても、地域手当を含めた支給月額の差は一定縮まるんですが、差がなくなることはありません。
    例えば、大卒ストレートで講師となった場合の初任給を名古屋市と比較しますと、地域手当で2万2000円の差がございまして、これを、給料表適用を1級から2級にしても4000円程度改善できるのみで、大勢に変わりがございません。
    こうしたことも踏まえまして、2級適用を引き続き他県の状況を注視してまいります。

     

    採用試験の改革について

    続きまして、採用試験についてさらに改善できることはないかということですけれども、提案、二ついただいております。
    一つは、講師経験に基づく採用を優先的に行ってはどうかという御提案でしたけれども、実は法令上講師経験のみをもって優先的に正式採用とすることはできません。
    こうしたことを踏まえまして、従来より、常勤講師等を対象として、所属長が作成した人物証明書を一般選考試験における教養試験に代えて特別選考を行っています。
    また来年度からは、常勤講師等で前年度の第一次試験を合格した者には、当該年度の第一次試験を免除する予定としています。
    それから、もう一個提案がありました。年度内に再度試験を実施してはどうかということですけれども、これは、今年度の受験倍率は4.3倍ございまして、採用予定数を確保できていますので、これに試験を再度実施することは物理的にできません。
    ただし、今後、採用予定数の確保が困難な教科が生じる状況となった際には、御提案のあった再度の教員採用試験の実施等について検討してまいります

     

    教員の相談のサポート体制の構築について

     

    それから、教員の相談を受けるサポート体制を構築してはどうかということですが、これは私も同じように問題意識を持っています
    教員からの相談につきましては、現在、内容に応じまして教育委員会の事務局の各課が対応しています。また、学校だけでは解決が困難な事案については、三重弁護士会の協力を得まして、弁護士が学校管理職からの相談に応じて具体的に助言する支援事業を行っているところです。
    こうした学校だけでは解決が困難な事案には、例えば経験豊かな学校管理職OBや弁護士等の専門家などの連携などで、外部の力を活用して取り組んでいく必要があると考えています。
    現在、文部科学省の概算要求の中で、保護者からの過剰な要求に組織的に対応するための支援体制を、教育委員会内に整備しようとする新規事業が示されています。今後、本県において、この事業の実施について検討を進めます
    また、本県独自の取組としまして、弁護士等の専門家に相談する事業についてその運用範囲を拡大しまして、さらに活用しやすくするなど、学校トラブルに対する支援の充実に向けて一層の体制強化を図ってまいります。

     

    教員の負担軽減のための働き方改革について

    それから、教員の負担軽減のための働き方改革とその発信についてですけれども、働き方改革につきましては、現在、全ての公立学校において定時退校日の設定や部活動休養日の設定会議時間の短縮に統一して取り組んでおりますし、地域人材、専門人材を活用した教職員の業務負担軽減、ICTを活用した業務の効率化などに取り組んでおりまして、教職員の時間外労働については解消されるまでには至っていないんですが、コロナ禍以前の令和元年度と比較すると減少しているところでございます。
    特に、教員が担う事務的業務の支援・補助を行う地域人材、スクールサポートスタッフにつきましては、令和3年度から引き続き令和5年度においても、全ての公立学校に配置しておりまして、学校からは非常に効果を実感する声が届いております。来年度に向けましても、このスクールサポートスタッフの全校配置の継続を目指していきたいと考えています。
    また、こうした働き方改革の取組状況につきましては、県内外で開催する教職のガイダンスや県内の教員養成大学での共同授業において紹介することとしています。

     

    学校部活動の改革について

    最後に、部活動の地域移行でございます。
    県では、今年度、国のガイドラインを踏まえまして、三重県部活動ガイドラインおよび新たな地域クラブ活動方針の策定を進めるとともに、各市町の課題の把握や必要な助言を行うなど、地域連携・地域移行の取組をサポートしています。
    また、地域クラブ活動の指導者等を養成するための研修をオンデマンドで12月から実施をいたします。
    令和6年度ですけれども、スポーツ庁・文化庁の概算要求によりますと、国は、今年度に引き続き、地域連携・地域移行に向けた環境整備のための実証事業を実施する予定でございます。このため、各市町においては、まずは国の実証事業をできるだけ活用していただきたいと考えています。
    その上で、県におきましては、国の実証事業ではカバーできない、例えば拠点型合同部活動を行う際の費用などについて、地域の実情や課題に応じた支援を行っていくこととしています。
    また、今年度に引き続き、地域クラブ活動や部活動の指導者の育成や資質向上のための講習会などについても検討しており、市町の部活動の地域連携・地域移行が円滑に進むように取り組んでまいります。

    【質問】

    教育長、御答弁ありがとうございました。
    それぞれに対して、私は言いたいことはたくさん、今話を聞いていても出るんですけれども、二つに絞って、私の考えと違うところを申し述べたいと思います。

     

    給料表を1級から2級にする件について

     

    まず一つは、四日市より北の先生たちが、講師の先生たちが、名古屋と愛知県に流れるという話ですけれども、それは地域手当が違うし、その給料が1級と2級で違うからという部分があるんですけれども、お金の問題じゃなくて、同じ仕事をしている産休・育休で代替に入った講師の先生は、ほぼ、多くの講師の先生は担任をします。同一労働なんですね。にもかかわらず、教諭と講師に分けられている、しかも給料が安い。同じ仕事をしている教壇に立つ子どもの前に、先生、講師なんやろうって言われたりする。そういうところで、自分は一生懸命頑張っているのに、自分の誇りとプライドが保てないというところがあると思うんです。
    お金は確かに地域手当で名古屋とか高いのは分かりますけれども、そうじゃなくて制度として、愛知県、名古屋がやっているように、講師という名前を使わずに教諭というふうにするとか、そういう面も含めて、講師の先生方の誇りとかプライドを傷つけないような制度設計をお願いしたいなと思います。

     

    採用試験の改革について

    それから、採用試験改革ですけれども、これをちょっと見てください。(パネルを示す)
    特別選考、下に注釈がついていますけれども、小学校だけを注目をしてほしいんですけども、講師の先生方の受験者数、合格者数、合格率、それから大学で学生が受ける数、合格率、明らかに大学を出た学生のほうが率が高いんですね。これ、何が起こっているかというと、勉強する時間がないということ、それが大きな理由の一つではないかなというふうに思います。
    そういうようなところで、二つだけ。一つは、やはり、現場で3年も5年も講師として頑張ってもらっている先生方、講師の先生方、あえて講師という言葉を使いますけれども、その先生方は、3年も5年も頑張っていただいたら、一次を完全に免除するとか、そういうような大胆な採用試験改革が必要じゃないかなと。
    もう一つ、注目しないといけないのは、合格者の離職と転職、その数ですね。明らかに、学生から学校というものを経験せずに教育現場に入った人の離職と転職、一緒ですね。病気休暇も含めて多いのではないかというふうに思いますので、その辺り、調査をする必要があるかなと思います。
    残り5分となりましたので、私、全てにおいて財源ということを教育長も言われましたけれども、一つ御提案したいのが、子ども・子育て、教育を聖域にして、他の部局全部敵に回すか分かりませんけれども、シーリングをかけさせていただいて、その予算を捻出して、それを子ども・子育て、教育に回すというようなことを、教育委員会が声を上げていくしかないと思うんです。渋い顔をされますけど。
    それぐらいの勢いが必要かなと思います。シーリング、9割かけて、5年計画で予算をつくって、子育て、教育にお金をかける。そういう、未来に希望と光をというふうなことを申し上げて次に入らせていただきます。

     

     

    SNSにシェア
    • このエントリーをはてなブックマークに追加
    次の記事(2023/12/20)
    ふるさと納税について
    前の記事(2023/12/18)
    オーガニック給食の推進について~有機農業の出口戦略としての学校給食
    記事一覧

    LINE公式アカウント

    友だち追加