ネクスト選手世代に対しての競技力向上について(ジュニアスポーツ王国三重の樹立に向けて) | 三重県議会議員 喜田健児
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ネクスト選手世代に対しての競技力向上について(ジュニアスポーツ王国三重の樹立に向けて)

令和3年12月8日の一般質問の内容、3.ジュニアスポーツ王国三重の樹立に向けて、(1)ネクスト選手世代に対しての競技力向上についてです。

 

喜田健児の問題意識

三重県として、来年度の栃木国体は10位以内、再来年度の国体は10位台という目標を掲げています。この目標を達成するのは容易ではありません。

真の目的であるスポーツの力による地域の活性化、スポーツ振興による県民が誇れる三重県づくりにつなげるためには、ネクスト選手世代の育成強化が必要不可欠であり、どのように競技力向上を目指していくのかについて伺いました。

そして、今後の部活動の地域移行に伴い、総合型地域スポーツクラブの活用についても提案しています。

 

 

 

実際の質問のやり取り

【質問】

3.ジュニアスポーツ王国三重の樹立に向けて、(1)ネクスト選手世代に対しての競技力向上についてです。
「ネクスト親世代」という単語をつくった石垣議員の許可を得ずに、親を選手に勝手に変えて、勝手に使わせていただいております。
三重県として、来年度の栃木国体は10位以内、再来年度の国体は10位台という目標を掲げています。そのために、強化費の継続をして、クラブチームの支援、有力選手の個人強化指定、オリンピックを目指せる選手やチーム三重スーパージュニアの強化、企業による就職支援の継続、指導者の確保を考えていると聞いています。
しかし、国体の10位以内というのは、そうは簡単ではありません。八つの都道府県がベストテンの常連であり、それにプラスして開催県となります。ですので、残り1枠を目指すという非常に厳しい、険しい戦いでございます。
国体を終了した県は、翌年から順位を下げています。ベストテンの常連の8都道府県は、実業団があり、競技人口が多い。高校や大学から県内実業団への連携があるという大きな強みもあります。そことの勝負となるわけですから厳しいのは当たり前で、成年男女で常に上位に食い込むというのは至難の業と言えると思います。
ですので、成年ではなく少年男女において、それぞれの競技でベストテンを狙えるようにすることに主眼を置くべきではないでしょうか。なぜならば、小学校・中学校・高校で裾野を広げて強化するという一貫した取組の中で育った選手は、大学や実業団に入ったとしても、ふるさと枠で成年男女の選手になる可能性が高いからです。
そして、真の目的であるスポーツの力による地域の活性化、スポーツ振興による県民が誇れる三重県づくりにつなげるためには、ネクスト選手世代の育成強化が必要不可欠だと思います。
そこで、ネクスト選手世代を含めた将来の三重県スポーツを担うジュニア世代に対し、どのように競技力向上を図っていくのかを局長に伺いいたします。

【地域連携部国体・全国障害者スポーツ大会局長答弁】

ジュニアの世代からの競技力向上にどのように取り組んでいくのかという御質問に対して答弁申し上げます。
競技スポーツへの入り口となるジュニア、いわゆる小・中学生ですけれども、彼らの年代は競技にまず出会い、その面白さに夢中になって、うまくなりたい、強くなりたいという思いが現れ、競技を純粋に追い求める重要な時期となります。
また、ジュニアの年代からの発掘・育成は、その後に国体の少年種別として、高校で成果を上げていただくということになると思いますけれども、これだけでなく、議員から先ほど御紹介いただきましたように、将来、県外の大学に進学しても、成年種別におけるふるさと選手として、三重県のために活躍いただくということが期待できます。強豪県と競り合い、本県の安定的な競技力確保のためにも重要な取組であると思います。
また、加えまして、ジュニアの年代から育成し、強化を続けた選手が成長を遂げ、全国大会やオリンピックなどの国際大会に活躍することになった本県選手も何名かいらっしゃいます。
彼らは、また、三重県の子どもたちをはじめ、県民の皆さんにも大きな夢や感動、希望をもたらし、県民の誇りともなります。ジュニアの育成・強化は、こうした視点からも大きな成果を期待できる大変重要な取組であると考えています。
こうしたことから、ジュニア世代からの発掘・育成・強化は、今後も継続して進めていかなければならないものであると考えています。
取組を進めるに当たりましては、これまでの事業などについて、各競技団体からそれぞれの状況や課題などもお聞きし、競技の実態に合った、より効果的な取組となるよう努めてまいりたいと思います。
例えば競技人口の少ない競技におきましては、体験会の実施やタレント発掘事業の対象の拡充により、選手を発掘し、裾野の拡大に努めていきます。また、これまでの取組により、競技団体が複数の拠点地域において選手を育成したり、ジュニアクラブを中心として育成・強化をする仕組みによって成果の出ているものについては、引き続き支援を継続してまいりたいと思います。
加えて、優れた選手の育成には、優れた指導者の存在が不可欠であります。これまで取り組んできましたチームみえ・コーチアカデミーセンター事業は、当事業を受講しました指導者からも大変評価も高く、また実績も数多く出ており、アスリートとしての将来を見据え、成長過程に合った指導実践が行われますよう、引き続きこの事業を継続し、ジュニア世代の指導者養成にも取り組んでいきます。
このように、三重とこわか国体に向けて培ってまいりましたノウハウを生かしながら、ジュニア・少年・成年と中長期的に県全体の競技力を安定的に維持・向上できますよう努めてまいりたいと考えております。

【要望】

力強い御答弁をいただきました。ありがとうございます。
ジュニアの時期はとても重要な時期であると認識に立っていただいております。そのジュニアのそういう時期に、どうしても乗り越えていかなければならない課題がございます。それを次に申し上げて、その課題解決のための御検討を要望したいと思いますので、よろしくお願いします。
学校部活動が地域部活動へと、令和5年度から、できるところから段階的に移行するとなっております。学校部活動が地域部活動へ変わっていく。令和3年度、令和4年度がその転換期です。
働き方改革はぜひとも実現して進めてもらわないといけないこと、私もそういう認識に立っております。そこは肯定していますが、週末の練習は今どうなっているかというと、土日の午前、午後、午前、午後、4コマのうち、1コマの練習となっております。これが今の学校部活動です。これを否定するつもりも何もありません。
ただ、その中で幾つかの課題が出てきています。もっとレベルアップしたい子どもの地域での受皿がない。競技力の低下や競技人口の減少が危惧される。小学生時代と高校、その間で練習量のギャップが激しいというもので、小学生から中学生になるときに、学校部活動を選択せず、サッカーや野球を中心に、ここ一、二年、地域のクラブに入るということが広がっております。だから、野球においては、学校部活動が成立しないという事態が松阪市でも起こっております。
それとは別に、地域にクラブチームがない競技をしている子どもたちはもっとうまくなりたい、もっと楽しみたいという気持ちがあってもする機会がなく、子どもも親も不満がたまってきています。
このような状況を各競技団体や高校部活動顧問は、競技人口の減少と競技力の低下を招くと、大きな危機感を持っています。
学校部活動を地域部活動にという国の方針の中で、三重県においても、総合型地域スポーツクラブを県内四つの地域で立ち上げてモデルづくりをして、他の地域に広げることを目指しています。
県教育委員会保健体育課のその取組に、私は学びながら指導を受けまして、松阪市において、総合型地域スポーツクラブ中学生ソフトテニスチームをNPO法人と競技団体が、市の教育委員会や現場の先生に相談をかけながら立ち上げました。
次のスライドを見てください。(パネルを示す)松阪地区中学生ソフトテニスチーム、CHO1期生募集ですけれども、CHOというのは、挑戦、超越、頂点の「ちょう」を取っております。このチームの特徴ですけれども、競技団体である三重県ソフトテニス連盟松阪支部が、チームの子どもたちと直接関わるところを担い、NPO法人が裏方の事務的業務や他種目の競技が参入してきたときの横との連携づくりの役割を担います。
競技団体は松阪市の競技選手を抱えていますので、指導者を見つけるのも難しくありません。そして、指導者に対して、中学生を指導するに当たっての資質向上のための講習会を開くことも可能です。
現在、サッカー、野球、ダンス等の競技の参入を計画しており、これが実現すれば、一つの総合型地域スポーツクラブの中で、子どもたちは一つの種目にこだわることなく、ほかの種目も体験することができるようになります。そうなると、その子の適性に合った競技を見つけられることにもつながるのと、マイナー競技においては選手の確保につながります。
課題としては、二つあります。
一つは、練習場所となります。休日部活動の地域移行について、総合型地域スポーツクラブを活用するための受入れ環境整備は、行政の力をお借りしないと前に進みません。学校施設を総合型地域スポーツクラブに開放していく仕組みをぜひとも御検討いただきたい。
それと、二つ目は、各競技団体が地域部活動に主体的に関わり、裾野を広げて競技力向上を図ることに寄与していく、参画していくというんですね、そういう体制をつくるということが課題になると思います。私たちが立ち上げたこの松阪モデルをたたき台にしていただき、ぜひとも前向きな御検討をお願いできればと思います。
私たちは、将来的に中学校体育連盟の学校対抗戦から市町対抗制に移行することが、地域スポーツの活性化、地域づくりにつながり、各競技の裾野を広げて競技力を向上させ、高校への橋渡しになると思っています。12月28日には、それを見越して県営サンアリーナにて、令和3年第1回美し国三重市町対抗中学生ソフトテニス大会を開催いたします。この総合型地域スポーツクラブを生かすことがジュニアスポーツ王国三重の樹立への道だと考えております。よろしくお願いします。

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