三重県産の日本酒と県産品のマッチングによる海外販売への支援について((国の農林水産物・食品の輸出拡大実行戦略))
令和3年12月8日の一般質問の内容、国の農林水産物・食品の輸出拡大実行戦略のうち、三重県産の日本酒と県産品のマッチングによる海外販売への支援についてです。
喜田健児の問題意識
先ほどの、(1)三重県産日本酒の海外での販路拡大についてと同様に、
教育予算の増額のためには財源確保が必要です。
三重県の経済活性化に取り組むことが財源確保につながっていると考えております。
海外輸出販売においては、酒造蔵元単独での海外輸出販売は非常に厳しく、限界があるということでした。
そこで、県産品とマッチングして輸出することや、行政、ジェトロ、事業者が一体となり売り出していく事やトップセールスが大事であるということを提言しております。
実際の質問のやり取り
【質問】
2)三重県産の日本酒と県産品のマッチングによる海外販売への支援についてです。
青森県八戸市の日本酒が、全米第2位の販売実績をたたき出していると聞きました。青森県で有名な男山、八仙かと思いきや、違いました。不思議に思いまして、八戸市商工労働観光部商工課貿易振興グループの方とジェトロ青森の方にお会いして、その取組と現在の状況の聞き取り調査をしてきました。
そこで聞き取った結論は、酒造蔵元単独での海外輸出販売は非常に厳しく、限界があるということでした。海外で販売するためのその国での免許の申請や取得、ラベルの作り直しと認可申請、輸出時の手続、保険、商品搬送など、いわゆる輸出・貿易業務が難しく、そこへの労力、時間をかけるマンパワーが必要であり、金銭的な体力という問題が出てくるので、輸出の販路拡大や販売に踏み込めなかったり、継続が難しかったりするということです。
なので、行政とジェトロ青森がタッグを組み、お膳立てをして、幾つかの酒造蔵元や県産食品事業者がそこに乗っかり、日本酒も農林水産物も一緒に合わせて、ニューヨーク、ロサンゼルス、サンフランシスコでの日本市に出展したり、スーパーでデモ販売をしたり、日本食レストランに売り込みをかけたりしているとのことでした。
ただ、青森県八戸市の八戸酒造が、何と世界酒蔵ランキング2021で第1位を取ったというニュースが昨日流れました。
そこで、三重県としては、県産日本酒と県産品のマッチングによる海外販売への支援については、どのようなことをお考えなのか、お伺いしたいと思います。
【雇用経済部長】
海外販路開拓支援に関する取組について御答弁申し上げます。
県におきましては、日本酒を含む世界的な日本食ブームを輸出拡大の絶好の機会と捉えておりまして、国、ジェトロ、三重県農林水産物・食品輸出促進協議会等と連携するなど、関係者が一体となって県産品の輸出拡大に取り組んできておるところでございます。
具体的には、海外食品見本市への出展や海外バイヤーを招聘した商談会の開催など商談機会の創出を行ったり、輸出に不慣れな事業者に向けまして貿易実務支援を行う貿易アドバイザー、みえの食レップの設置を行ったり、また、農産物、畜産物、水産物など品目別・ターゲット別の販売プロモーションの実施や、輸出先国からのニーズに対応した衛生管理基準を満たすための施設の新設・改修・導入の支援、こうした様々な取組を行っておりまして、いわゆる個社支援を重点的に実施してきておりまして、こういう形で輸出拡大を図ってきたところでございます。
一方、渡航制限による商談機会の減少だとか、輸送コンテナ運賃の高騰などによります経営圧迫等に加えて、現地のバイヤーやシェフからは、食材を効果的に活用するためのレシピだとかマリアージュ、あるいはペアリングなどが求められておりまして、個々の事業者単独での販路開拓がやや困難な状況となっておると認識しております。
このため、県内地域商社や、今後、商社機能を担おうとする事業者と連携いたしまして、日本酒を含めました複数の事業者の産品を一括して商談、輸送を行うことで、販路拡大の効率化とともに、輸送手段の確保及び輸送コストの低減化を図る、言わば面的支援みたいな形で新たに実施してまいりたいと考えておりまして、これまでの個社支援との両輪で県産品の輸出拡大に取り組んでいくこととしてございます。
今後も、海外への販路開拓に積極的にチャレンジする県内事業者を応援しまして、県内事業者の経営の安定につなげてまいりたいと考えておりますし、また、県産品の輸出拡大に取り組むことで、海外における三重県ブランドの構築を進めてまいりたいと思っております。
これから輸出に取り組もうとする事業者の道しるべをつくるとともに、インバウンドの拡大にもつなげるなど、地域全体の活性化を図ってまいりたいと考えております。
【質問】
個社支援と面的支援、その両面で応援していくという御答弁をいただきまして、ありがとうございます。
青森県八戸市がなぜ成功したのかですが、現地に販路を持っている商社と組めたことが大きいそうです。ニューヨークのレストランの有名シェフが、和食と合わせて日本酒を売り込んでいくという販路です。
このシェフは、銀座すきやばし次郎で料理を作っていた方で、料理人として相当な腕前で、パフォーマンスも上手で、お客に日本酒のおいしさの訳を伝えて飲ませるのがうまいということです。
やっぱり大事なのは、消費者に向けてのPR、セールスです。世界で山口県の獺祭が飲まれるようなったのは、安倍元首相がトップセールスをしたからだと言われています。
三重県も負けてはおられません。酒造蔵元や酒蔵に聞き取り調査をすると、海外での販売をにらんで、和食に合う日本酒にこだわり、酒造蔵元の商品開発に乗り出しています。
今までの日本酒は、酒造蔵元が言うにはですけれども、食に勝ってしまうくらいのものが多かった。けれども、水を加えずにアルコール度数を下げることで食を引き立てることに成功した酒造蔵元も出てきました。
料理と共に試飲してきました。最高の味わいでした。酒職人のその飽くなき追求と酒造りへのこだわり、三重の大自然が育て上げるお米、そして伊勢神宮への奉納、神の酒へ、このストーリーで三重県の日本酒をブランディングして、一見知事のトップセールス、三重県のこれまでの海外での販売努力やその実績があれば、世界で三重県産の日本酒は十分に勝負できると酒造蔵元は踏んでいます。
小手先ではなく本物で勝負して、三重県産の日本酒が世界一を取ることで、さらなるブランディングにつながります。ひいては、三重県のブランディングにもつながっていくのではないでしょうか。
部長も言われましたけれども、三重県のブランディングとなれば、県産品需要拡大、インバウンド増等による観光振興など、経済効果は計り知れません。
八戸市の方に、全米第2位となり、八戸市の経済効果はどうですかと聞いてみましたが、それを数値にして示すことはできないし、分からないとのことでしたが、こんな答えが返ってきました。「でも、みんなが笑顔になりました」、そう言われました。よろしくお願いいたします。