南海トラフ地震発生時における海路を使っての支援物資の輸送等について | 三重県議会議員 喜田健児
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南海トラフ地震発生時における海路を使っての支援物資の輸送等について

令和2年2月27日の一般質問、南海トラフ地震発生時における海路を使っての支援物資の輸送等についてです。

 

 

喜田健児の問題意識

災害時に陸路以上に海路からの支援が有効でありますが、南海トラフ地震発生時における、海路を使っての支援物資の輸送について、県としての在り方を伺いましたあ

 

実際の質問のやり取り

【質問】

2017年12月17日に閣議決定された、まち・ひと・しごと創生総合戦略(2017改訂版)では、高校生らが地元地方公共団体や関係者と連携しながら、地域の課題をビジネスの手法を用いて解決していく、地域ビジネス創出事業、SBP、ソーシャル・ビジネス・プロジェクトの取組を促進、推進するとなっています。文部科学省においても、若者の学びを通じた地域ビジネスの創出に当たって、必要となる推進体制及び政策的支援の在り方を検討し、全国普及を図ることを目的に、SBPの調査研究報告会を実施しています。ちなみに、このSBPの中心人物が高校生レストラン、まごの店の立て役者である多気町在住の岸川政之さんです。
三重県、そして地域の課題が山積していて、しかも、その一つ一つは、非常に重く、待ったなしの危機的状況にあるが、その解決が一筋縄でいかないのが、水産、海運業界が抱える課題です。
現在でも、海面漁業、遠洋カツオ一本釣り漁業は全国2位であり、総生産量も全国7位ではありますが、人材不足は極めて危機的な状況にあります。水産王国みえの復活のためには、人材の供給が必要ですので、人材の供給を図る水産高校が果たす役割は重大だと言えます。その水産高校の抱える課題は、水産王国みえの復活を目指している農林水産部、県内の製造業の資材の運搬の8割が海運であるという観点から雇用経済部、地域の活性化の役割も担う学校教育という視点で教育委員会、そして災害時の海運利用で防災対策部、最終的には予算をつける総務部にまたがる課題でもあると思います。
そこでまずお聞きします。海に面している三重県において、災害時に陸路以上に海路からの支援が有効でありますが、県として、南海トラフ地震発生時における、海路を使っての支援物資の輸送について、防災対策部、日沖正人部長にお伺いします。

【防災対策部長】

南海トラフ地震発生時における、海路を使っての支援物資の輸送などについて答弁申し上げます。
南海トラフ地震等の大規模災害発生時には、道路の寸断や沿道建物の倒壊による道路閉塞等により、緊急支援に関する車両の目的地到達に支障を来すというようなことが想定されます。このような想定の下、三重県地域防災計画により、輸送手段として、陸上輸送、海上輸送、航空輸送を位置づけております。
海上輸送については、陸路での輸送が困難な場合や、一度に大量の輸送を行う必要がある場合、輸送が長距離となる場合などには、海路による輸送が効率的と見込まれることなどから、三重県広域受援計画の中で、海路の使用について定めているところであります。また、平成30年5月に実施した三重県受援体制整備に向けた活動実験では、海上自衛隊の艦艇から四日市港に荷揚げした支援物資を北勢拠点へ輸送したほか、同年11月の大規模津波防災総合訓練では、答志島に海上保安庁巡視艇が、救助部隊及び物資の輸送を行っておりまして、今後も訓練などを通じまして、災害時の海上輸送の実効性を高めてまいりたいと考えております。

【要望】

災害対策上の海路の重要性について、防災対策部長から御答弁をいただきました。ありがとうございました。
実習船しろちどりの船長からお聞きしたことを紹介します。
約40日のパラオ航海での乗船実習を終え、寄港して間もない頃に東日本大震災は起こったそうです。そのときに、実習船しろちどりで何かできないのかという話があったといいます。その当時は、リスク等がうまく整理されずに活用には至らなかったそうです。現場としては、災害時に実習船しろちどりの機能を最大限活用して、何かしら力になりたい、災害時の救援に協力したいという思いが強く、その準備もあるとのことです。
平成29年2月定例月会議で、中瀬古初美議員の質問に対して、山口千代己教育長は、水産高校では地元自治体と申合せを交わし、災害発生時の緊急避難先としてしろちどりの生徒の部屋、トイレ、シャワー室、教室を避難所に提供できると答弁しています。船長は、これ以外に、インフラとしての船は非常に有利で、衛星通信ですので、どれだけの災害が起こっても通信が寸断されないこと、冷凍能力でマイナス50度まで冷やすことができるので、いろんな物資を長期に大量に保存することができること、船内には70人分の寝泊まりする場所があること、海水から1日最大15トンの真水を作ることができること、運べる水は100トンで数時間で約100名分の炊き出しができる能力があると言われました。
熊本地震のときには、実習船熊本丸は、お風呂に入れなくなった地域に着岸して、シャワーを提供しています。他県の実習船も炊き出しの手伝いに行ったという事例も聞いています。
この災害時の救援という観点からも、実習船しろちどりの活用をぜひとも部局横断的な連携の上、協議していただきたいと思います。そうなると実習船しろちどりの代船建造については、何としても実現をしなければならない、真に必要な施策であると思われます。
特に、総務部長に、真に必要な施策であるということを伝えたくて、最後の質問に入らせていただきます。

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