新規事業創出により三重県経済の活性化を図る「とこわかMIEスタートアップエコシステム」の   概要・狙い・具体の取組について | 三重県議会議員 喜田健児
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新規事業創出により三重県経済の活性化を図る「とこわかMIEスタートアップエコシステム」の   概要・狙い・具体の取組について

令和2年2月27日の一般質問の内容、新規事業創出により三重県経済の活性化を図る「とこわかMIEスタートアップエコシステム」の概要・狙い・具体の取組についてです。

 

 

    喜田健児の問題意識

     

     

    2006年から2009年までの期間の開業事業所は、全事業所の8.5%にすぎない一方で、この新規事業所によって生み出された雇用は、既存事業所分も合わせた全雇用創出の何と37.6%に達しています。8.5%の新規事業所が雇用創出の全体の4割を占めています。

    このように新規産業の創出は雇用の面からも重要であり、とこわかMIEスタートアップエコシステム事業の事業概要や具値的取り組みにについて伺いました。

     

    実際の質問のやり取り

    【質問】

    そこで、みえスマート改革宣言2020とありますが、スマートと改革の間に情熱を入れて、みえスマート情熱改革宣言2020としてはどうでしょうか。複雑化する社会の中で生まれる課題や、予想される未来における課題は、一つの部署では解決できないので、部局横断的な連携で解決を目指していく、大いに期待しております。複雑化する社会の根本原因は、私が言うにはですけれども、格差の広がりだと思います。これまでは、資本主義によって経済が伸びれば中間層と低所得者層に一定の恩恵が働いてきましたが、今は数%の人しかその恩恵がないという経済システムになってきています。この経済の動向により、資本主義と民主主義が合わなくなってきている中で、グローバル社会の秩序が乱れ始めてきていると言われています。今の経済システムでは格差が広がる一方です。財力を外に逃がさず、三重県経済を循環させるとともに、外からの誘致で三重県経済に財を放り込んでもらう、この絡み合いにより相乗効果を生ませて、経済の循環を作っていくことが大切です。しかし、企業の社齢と雇用の関係を見てみると、社齢が高い企業群ほど退出や規模縮小により雇用の純減が大きくて、起業から5年までの若い企業のほうが雇用の創出が大きいという調査結果が出ております。これはアメリカでも、同様の傾向ということです。
    私の次の映写資料を見てください。(パネルを示す)中小企業白書2011、出典は書いてあるとおり総務省ですけれども、これによると、2006年から2009年までの期間の開業事業所は、全事業所の8.5%にすぎない一方で、この新規事業所によって生み出された雇用は、既存事業所分も合わせた全雇用創出の何と37.6%に達しています。8.5%の新規事業所が雇用創出の全体の4割を占めているわけです。ちょっと見にくいんですけれども、この下が新規で、上が今までのということでございます。長く続けていくのも大事ではあるが、成長はどこかで緩やかに止まり、安定期に入ってしまい、そのままだとそのビジネスモデルが通用しない時代に入って、衰退してしまうと言えます。既存の事業所も新規事業所のように、時代に合った製品とかサービスを生み出していく、変化が必要となるということです。変化こそ成長の時代に入っているということではないでしょうか。雇用が回るということは、法人税だけでなく、住民税も含めて、税収アップにつながります。そういう意味において、創業とかスタートアップを推進、そして、支援していくことがとても重要なことであると思います。
    そこで、新しい産業の創出、既存の事業を継承して、第2創業で新しいビジネスに挑戦する、そのような人たちを応援、支援するとこわかMIEスタートアップエコシステム事業にかける情熱、いわゆる夢や目標、それを実現するための事業概要、狙い、具体の取組を雇用経済部、村上亘部長にお伺いいたします。

    【雇用経済部長答弁】

    とこわかMIEスタートアップエコシステムの概要、狙い、具体の取組内容について、御答弁申し上げます。
    スタートアップは、地域におけるイノベーションや新たな価値創造が進展する可能性を提示し、新たな経済循環や多様な働く場を創出するなど、地域の課題解決や活性化の担い手として重要な存在だと考えております。
    本県における開業率は、平成28年の5.7%を直近のピークといたしまして、平成29年は5.5%、平成30年は4.3%と下降傾向にございまして、さらなる起業の促進に向けて、新たな視点での支援が必要となっていると認識しております。
    本県は、これまでスタートアップ支援事業により金融支援やビジネスプランの策定支援に取り組んできたところでございますけれども、昨年度の事業参加者へ、求める支援取組のアンケート調査を実施したところ、先輩起業者からの助言や、同じような立場の事業者との交流など、より人的なネットワークが求められていることが分かりました。そこで、県内外で活躍する先輩起業家や金融機関、証券会社等とスタートアップを志す人によるネットワークを形成した上で、新規事業のタネを発掘する第1段階、事業の磨き上げを行う第2段階、事業化や資金調達を行う第3段階、そして、事業が自立化し、後進の育成に当たる第4段階の四つの段階的な取組により、本県の地域資源を活用した新規事業の成長、発展を促す仕組み、とこわかMIEスタートアップエコシステムを構築いたします。
    具体的には、まず、首都圏等で活躍する複数の先輩起業家やクリエーターと県内学生や起業、新分野への展開を目指す方との起業コミュニティーを形成し、ワークショップの開催などによりまして、起業への機運を高めます。そして、第1段階として、新規事業のタネの発掘や実証プロジェクトを実施するフィールドを発掘し、第2段階の先輩起業家からのアドバイスや人材のマッチングにより、事業計画や内容を磨きます。第3段階では、前の段階で磨き上げた事業について、ピッチコンテストの開催などによりまして、金融機関等からの資金調達につなげます。そして、事業が自立化した起業家には、第4段階として、コミュニティーの中で、新たに事業の立ち上げに挑戦する後輩起業家への支援を行っていただきます。このような支援の取組が循環し、ネットワークが拡大する仕組みを構築いたします。こうした取組によりまして、本県に長く引き継がれてきた、とこわか精神の下、本県の地域資源を活用したスタートアップを次々と生み出すことで、地域経済の活性化に情熱を持って、取り組んでまいりたいと思っております。

    【意見】

    御答弁を聞き、一丁、一旗上げてやるぞ、何かやってやるという、そういう県民の胸の鼓動の高鳴りが、本当に聞こえてきそうな中身ではないかと私は心から思います。大げさでしょうか。と言うのは、ゼロイチからスタートアップに踏み出せる人って、そんなに多くないように思うんです。しかし、言われるように、第2創業みたいな形で、自分たちのもともとの強みを生かした形で新規事業に踏み出したいと言う経営者は、私は県内に多いと思います。その人たちが一番欲するのは、成功への階段だと思うんです。そういう意味で、成功者のアドバイス、ノウハウ、そして、関係する分野でのネットワークの拡大、それがチーム化する、心強くあることは、これは間違いないと私は思います。自らの背中を自らの意思で押す、そういうふうなことになるとするならば、三重県に活力が生まれることは間違いないと思います。
    この事業に県民の皆さんが注目するように、議員としても発信していきたいと思っております。クリエーティブな発想というのは、県行政にも県議会にも、政治家にも求められていると思います。しかし、一番クリエーティブな発想ができて、それを実行して、成果を上げることができるのは、誰だと思われますか。私が言うにはですけれども、それは間違いなく未来の大人である子どもたちだと思います。

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