三重県財政の健全化と真に必要な施策への予算化について | 三重県議会議員 喜田健児
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三重県財政の健全化と真に必要な施策への予算化について

令和3年12月8日の一般質問、三重県財政の健全化と真に必要な施策への予算化についてです。

喜田健児の問題意識

厳しい財政の中でも一律に予算を削減するのではなく、必要なところには予算を増額するということが、職員の前向きな姿勢を引き出すうえでも重要であるという視点から、県の見解を伺いました。

実際の質問のやり取り

【質問】

1.三重県財政の健全化と真に必要な施策への予算化についてです。
総務部の令和4年度の当初予算調整方針においては、三重とこわか国体・三重とこわか大会の延期申請を見送るなど、厳しい財政運営が続くことが予想される中ですが、一般経費について、単にシーリングをかけて予算削減を促すのではなく、シーリングをかけた上で、約10%の増額の予算要求を認めています。
こうした仕組みは予算のめり張りをつけることにとどまらず、県職員の前向きな取組を引き出す上でも非常に重要なことだと考えますが、例年にない増額要求を今回認めた意図について、高間総務部長にお伺いいたします。

【総務部長】

例年にはない増額要求を今回認めた意図についてお答えさせていただきます。
これまで当初予算編成におきましては、裁量的な政策経費に対しまして、いわゆるマイナスシーリングを設定いたしまして、要求部局が自ら、既存事業の廃止、あるいは見直しを行うよう促すとともに、別途で重点施策枠も設けておりまして、そちらのほうは所要額要求を認めることで、新たな行政需要に対応した事業の構築を促してきたという仕組みでやらせていただきました。
しかしながら、特に近年は、厳しいマイナスシーリングを続けてきたこともありまして、事業を維持するのが精いっぱいで、事業の拡大ですとか、あるいは新たな事業の構築が行いにくいという声も要求部局から聞こえるようになってまいりました。
今回、そういった要求部局の皆さんのお声を踏まえて、さらに前向きな取組を引き出すことができるように、令和4年度当初予算要求におきましては、従来の手法を一部見直しして、裁量的な政策経費に対するシーリングを、令和3年度当初予算額の90%以内と一旦した上で、その90%以内とした部局はその額の1.2倍、これは前年度と比べて、実質最大1.08倍という数字になるんですけれども、まで予算要求ができるようにさせていただいたところでございます。
この見直しは、効果の低い取組ですとか、あるいは一定の役割を終えた取組の見直しを進めつつ、新たな行政需要に対応するための新規事業の構築ですとか、あるいはその効果やニーズの高い取組を維持・充実しようとする狙いがございまして、特に重点施策枠に加えまして、こうした仕組みを活用することで、議員がおっしゃっるように、職員が前向きに事業を企画する意欲を引き出すことにもつながるのではないかなということで期待しているところでもございます。
こうした予算調整方針の見直しの結果、例年よりも各部の思いの詰まった予算要求が今後提出される形になると思いますけれども、一方で、県民からお預かりする税金の使い道としてその事業がふさわしいものなのかとか、要求事業の必要性ですとか、あるいは今すぐしなければならないのかといった点から丁寧に議論・精査をさせていただきまして、できる限りめり張りのついた予算編成になるよう、今後努めてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

【質問】

分かりやすい御答弁ありがとうございました。
私は、今年の2月定例月会議の一般質問で、国から来ているキャリア7人の職員が伊勢新聞の海住記者と開いた座談会の内容を取り上げました。
当時、財政課長だった富永さんとみんやめ予算を提唱している横山さんの発言を引用して、私なりに思う職員の積極性を引き出せない要因を例示するとともに、選択と集中の必要性を訴えました。
それに対して当時の紀平部長は、予算要求の背景にある社会情勢の変化、新たな行政課題を適切に捉えて、要求部局の意図あるいは狙いを理解する。その上で、やみくもに要求額を削減しようとするのではなく、それぞれの事業がよりよい取組となるように、要求部局と共に施策をつくり上げていく姿勢で建設的な議論を行っていくと述べられました。
非の打ちどころがない答弁で総務部の姿勢や努力に敬意を表しましたが、でも、結局のところ、前鈴木知事のトップダウンが強過ぎて、各部局も総務部も腹から沸き起こるような積極性が出せないのではないかというのが、私の見立てでございました。
しかし、知事が一見さんに替わり、この数か月で、行政職員の皆さんの肩の力が抜けたように思います。今までは、完璧にやっていますという答弁が主となっていましたが、今やできていないところはできていない、間違っていたところは間違っていた、そんなやり取りが見受けられます。
そして、今回のような、こんなことをしたいという独創的な発想を口に出せる、そんな空気感が漂っているように思います。そんな空気感がもっと充満してほしい、そんな思いから、知事にあえて通告しての答弁を求めないと考えました。
一見知事が、一見怖そうだけど心は優しい高間総務部長とタッグを組み、高間総務部長は、しなやかでしたたかな石黒財政課長とタッグを組み、石黒財政課長は、各部局としっかりとつながる、そんなフラットな関係を今後も大切にしていってもらえればと思います。優秀な県行政職員のやる気と可能性を引き出されることに期待しております。

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