4. 三重の教育の充実と発展について (1) メンタルヘルス対策と (2) 教員を志す人の確保 | 三重県議会議員 喜田健児
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4. 三重の教育の充実と発展について (1) メンタルヘルス対策と (2) 教員を志す人の確保

令和3年3月9日の一般質問の内容、三重の教育の充実と発展について (1) メンタルヘルス対策と (2) 教員を志す人の確保についてです。

 

喜田健児の問題意識

教職員の休職者が多く、学校の多忙化が改善されず、教師志望者が減ってきています。

多忙化解消、メンタルヘルス対策を早急に講じる必要がある旨を主張しております。

実際の質問のやり取り

【質問】

今度は、個と個が強く太い線で今までは結ばれていたけれども、それが細く弱くなって、今にも切れてどこかに飛んでしまいそうということを取り上げさせていただきます。
まず、このスライドを見てください。(パネルを示す)これは、全国と三重県における病気休職となった教職員数の推移ですが、三重県の教職員の令和元年度の病気休職者は118人で、そのうち精神神経系疾患による者は87人、実に病気休職者の73.7%を占めています。改善傾向にあるわけではなく、毎年90人前後で推移しています。
加えて、このような学校現場の多忙化等の実態が改善されない状況によって、教師を志す人が少なくなってきています。2月3日の各紙に、令和2年度に採用された公立小学校教員の競争倍率、過去最低の2.7倍にという見出しが並びました。13の自治体では2倍を下回ったのです。
このスライドを見てください。(パネルを示す)これは、文部科学省が公表した各県、政令市における今年度採用となった教員の採用倍率の一覧です。全国で志願者が減少する一方、三重県では、小学校の倍率が4.0倍、中学校では7.4倍と健闘していて、志願者を集め、競争率の高い自治体であると掲載されています。
しかし、多忙化を解消するための抜本的な改革、メンタルヘルス対策などを早急に講じないと、他県と同じような低倍率となるのは時間の問題だと私は思います。
そこで、この喫緊の課題となっているメンタルヘルス対策と教員を志す人をどのように確保していくのかについて、木平教育長にお尋ねいたします。

【教育長答弁】

2点御質問いただきましたので、順次お答え申し上げます。
まず、教員のメンタルヘルス対策についてです。
メンタルヘルスの不調は、本人が気づきにくい、周りに相談できずに1人で抱え込みがちである、再発への注意が重要である、採用時や異動後など環境の変化があった場合に生じやすいといった特徴があることを踏まえ、県教育委員会では、予防対策、不調者への対応、復帰支援、再発防止の各段階での取組を行っています。
予防対策として、まずは、心の健康を正しく理解し、自ら早期に不調に気づくことができるようにするとともに、職場の雰囲気も相談しやすく、円滑なコミュニケーションが図れるようにしていくことが重要です。
このため、メンタルヘルスの不調となる要因や対処方法を学ぶセミナーを開催しています。特に初任者には、不調の初期症状やセルフケアの重要性を学ぶ研修を実施するとともに、新任の管理職には、不調者への気づきや日頃の声かけ、明るい職場づくりなどの研修を行っています。
また、自分のストレスに気づきセルフケアに役立てるため、ストレスチェックを全公立学校で毎年実施し、高ストレスの教職員には医師の面接を勧めています。
さらに、ストレスチェックの結果を踏まえ、各学校がストレス要因を減らすために行った改善事例を県立校長会で共有するなど、職場環境の改善につながるよう取り組んでいます。
教職員が休みがちになるなど、ふだんと様子が異なる場合には、管理職が声をかけ、丁寧に状況を聞くようにしています。また、学校の要請に応じて臨床心理士を派遣し、専門的な相談を行い、治療を要する場合には早期受診につなげており、今年度は延べ85回派遣しています。
療養していた教職員が復帰する際には、職場の雰囲気や業務に段階的に慣れていくため、一人ひとりの状況に応じた復帰訓練を4週間実施し、復職後もおおむね1年間、臨床心理士による面談を実施するなど、再発防止を図っています。
こうした対策を進めていますが、毎年一定数の教職員が休む状況が続いていることから、今後、休職に至った要因や背景を詳細に分析し、専門家の助言も受け、より効果的な取組となるような対策の改善を検討してまいります。
教育に携わる者が、心身ともに健康ではつらつと仕事に臨み、充実した人生を送ることは、子どもたちの成長に大きなよい影響を与えます。
今後も、子どもたちの未来を担うという使命感と誇りを持って日々の教育活動を実践する、三重の全ての教職員が明るく希望を持って働けるよう取り組んでまいります。
次に、教員を志す方々の志願者確保に向けた取組について御答弁申し上げます。
複雑化・多様化する学校の課題に対応し、児童・生徒の豊かな学びを実現するために、高い専門性、豊かな人間性を備えた人材を確保する必要があります。
このため、県教育委員会では、大学生や高校生に対し、三重の教育の特色や具体的な教育活動、教員と児童・生徒の様子など、三重県の教員が魅力ある職業であることを伝え、志願者確保に取り組んでいるところです。
大学生につきましては、県内だけではなく東海地方や近畿地方の大学を訪問し、教員志望の学生に、誰一人取り残さない教育の推進など、三重の教育に携わる者が大切にしている思い、地域と連携した学校の取組などを具体的に伝えています。
また、教員志望の大学生を対象にボランティアを募り、教員とともに児童生徒の学習や指導に携わり、学校の状況や職場の様子を身近に感じることで、教職への思いがより強くなるように取り組んでいます。
これからの将来を考える高校生には、高校を訪ね、教職への関心が高まるよう、教員は子どもたちの未来に関わる魅力的な職業であり、地域にも貢献できることを説明しています。
一方で、採用試験につきましては、年齢要件の撤廃、社会人や県内の常勤講師などを対象とした特別選考を設けるなどの見直しを進め、より多くの方が志願できるように改善してきました。
こうした中、今年度実施した採用試験ですけれども、小学校教諭の受験者が998人で4.3倍、中学校の受験者が836人で6.7倍となりましたが、中学校の志願者は減少傾向となっています。
今後は、採用案内パンフレットや教員採用のホームページに、若手教員の学校での実践や思いを充実させて掲載するとともに、大規模な説明会の開催が難しい中、三重の教育に関心のある方がいつでも視聴できるよう動画を作成し、三重県の教員の魅力を多くの人に伝えてまいります。
あわせて、学校における働き方改革を一層進め、教員が元気で生き生きと活躍し、子どもたちの憧れの職業となるよう取り組んでまいります。

【意見】

御答弁ありがとうございました。
(パネルを示す)このスライドが最後ですけれども、子どもたち、こういうような状況にあるんですけれども、へとへとになっている教員の前には、へとへとになっている子どもたちがいるんです。そのへとへとになった子どもたちに対応するその時間を生み出せないことで、さらに教員はへとへとになる。
私、この一般質問をするに当たって、ある教職員から手紙をいただきました。ちょっとだけ、時間がないんですけれども、早口で読ませていただきます。
最近の学校現場は本当に多忙です。とりわけ、そのことを強く実感するのは放課後の時間です。一昔前であれば、放課後は当たり前のように子どもの様子を話したり、授業実践の交流を行ったりしていました。
しかし、明日の計画、ノートの丸つけ、校務分掌の資料作成に加え、多様化する各家庭への対応や調査等に向けた準備と、やらなければならないことが多過ぎて雑談もできない状態です。
これに加えて、今年度はコロナ対応で忙しく、必要な情報を共有したいのにできない。話しかけることすら申し訳ないと感じるほどです。本来、学校というのは子どもが中心であるにもかかわらず、現在は、今日、明日をどう過ごすかということでいっぱいいっぱいですという文章です。
多忙化によって学校に愛情がなくなったら、愛情の連鎖はなくなります。実は、今現在18歳になる里子から手紙をいただいています。そこを、最後4行だけを読んで終わらせていただきます。
私は、将来、児童福祉の現場で働こうと思っています。社会的養護の中で育った私は、そのありがたさを身をもって感じることができました。そして、今度は自分が手を差し伸べる側となり、1人でも多くの子どもたちに幸せを感じてもらうために頑張ろうと思っています。
これで終わらせていただきます。ありがとうございました。

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