太陽光パネルのごみ問題について
太陽光発電は再生可能エネルギーの代表格として注目を集め、全国で導入が進んでいます。一方で、最近こんな市民の声が私のもとに寄せられました。
最近、太陽光パネルの設置がどんどん進んでいますが、壊れたり、災害で使えなくなったときのことが決まっていないのが気になります。設置した人がちゃんと処理する仕組みが必要なんじゃないでしょうか。このままだと、使えなくなったパネルが放置されて、環境に悪い影響を与えてしまうかもしれません。
このご意見は、まさにこれからの再生可能エネルギー政策に欠かせない視点だと感じました。そこで実際に、他の自治体の取り組みを調査したところ、岡山県をはじめ、下記の自治体ではすでに条例を制定していることがわかりました。
岡山県
【条例名】岡山県太陽光発電施設の安全な導入を促進する条例
【ポイント】事業終了後の施設撤去等の必要な措置を義務化。自然災害への備えや、地域住民への説明責任も明記。
【URL】https://www.pref.okayama.jp/page/619095.html
埼玉県東松山市
【条例名】東松山市太陽光発電設備の適正な設置及び管理に関する条例
【ポイント】事業廃止の60日前までに届け出義務あり。廃止後は速やかに撤去し、14日以内に報告。設置前の近隣説明も義務化。
【URL】https://www.city.higashimatsuyama.lg.jp/soshiki/13/26046.html
茨城県守谷市
【条例名】守谷市太陽光発電設備の適正な設置及び管理に関する条例
【ポイント】災害・事業廃止時の費用負担に備えた積立義務。着工60日前までに撤去を含む計画の提出義務あり。
【URL】https://www.city.moriya.ibaraki.jp/kurashi_tetsuzuki/kankyo_gomi/1001993/1002007/1002004.html
太陽光発電設備の適正な設置等に関する条例(埼玉県入間市)
【条例名】入間市太陽光発電設備の適正な設置等に関する条例
【ポイント】事業廃止後30日以内に届け出が必要。速やかな撤去と処分の義務を明記。周辺環境への影響も配慮。
【URL】https://www.city.iruma.saitama.jp/material/files/group/20/jyourei2.pdf
太陽光発電設備の適正な設置及び管理に関する条例(防府市)
【条例名】防府市太陽光発電設備の適正な設置及び管理に関する条例
【ポイント】発電出力10kW以上の地上設置型太陽光発電設備が対象。事前協議、周辺関係者への説明会、事業計画の届出、標識の設置、事業開始・変更・廃止・撤去の届出などを義務付け。事業廃止時には、設備の撤去と「太陽光発電設備撤去完了届」の提出が求められる。
【URL】https://www.city.hofu.yamaguchi.jp/soshiki/15/solarpanel.html
このように太陽光パネルを設置する際、撤去や廃棄に関する責任や計画や撤去届の提出を求める仕組みが整備されています。こうしたルールがあることで、将来的な「ごみ化」や不法放置の防止につながります。
三重県でも同様の課題解決を目指して
私は、三重県においてもこうした事態を未然に防ぐための仕組みづくりが必要だと考えています。環境への配慮だけでなく、地域の安心・安全のためにも、設置から廃棄まで責任を持った運用が不可欠です。
法律の中でも事業終了後の適正な措置についての記載もあるとのことですが、上記のように条例を独自に定めている自治体もございます。条例制定の背景を引き続き調査するとともに、今後は、県や市町との連携を通じて、太陽光パネルの適正な管理・処分に関するルール整備に向けた働きかけを進めてまいります。