第1回定例会議案質疑:部活動の地域移行について | 三重県議会議員 喜田健児
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第1回定例会議案質疑:部活動の地域移行について

【議案第14号に関する質疑:地域スポーツ推進事業における中学校部活動の地域連携・地域移行の促進の図り方について】質疑をいたしました。

 

 

    喜田健児の問題意識

     

    これから部活動の地域移行を進めていかなければなりません。

     

    スポーツには以下のような2つの側面があり、スポーツ振興は重要な取り組みです。

    ・競技力の向上

    ・地域の活性化

     

    こういった中で、これから部活動の地域移行を進めていかなければならない中で、以下のような2つの課題はあるものの、積極的に推し進めてほしいという趣旨で質疑をいたしました。

     

    ・担い手の確保・・・指導者への十分な報酬が支払われる仕組みが必要

    ・学校施設の開放・・・部活動の地域移行を進めるにあたって、中学校施設について休日の昼間も地域に開放することで地域コミュニティの活性化につながる

    動画は下記よりご覧ください。

    令和7年定例会(2月25日)議案質疑

     

    実際の質問のやり取り

    【質問】

    議案第14号令和7年度一般会計予算、地域連携・交通部のスポーツ推進局における地域スポーツ推進事業には、6430万9000円の予算が組まれています。スポーツ推進局では、中学校部活動の地域連携、地域移行の受け皿の一つとなる総合型地域スポーツクラブに取り組んでおられますが、今回の予算は中学校部活動の地域連携、地域移行の促進を図るために何にどれぐらい使われているのか、それによって中学校部活動の地域連携、地域移行の促進はどのように、どれぐらい図られるのかを、そのシナリオと併せて令和7年度の促進目標をスポーツ推進局長にお伺いをいたします。よろしくお願いします。

    【地域連携・交通部スポーツ推進局長答弁】

    令和7年度当初予算において、地域スポーツ推進事業では、6430万9000円のうち、人々が身近な地域でスポーツに親しむことのできる総合型地域スポーツクラブに係る事業として2451万6000円を計上しています。

    このうち、総合型地域スポーツクラブの知名度向上や質的充実のため、クラブアドバイザーのクラブ訪問やPRイベントの開催などに1147万4000円を計上しています。

    また、総合型地域スポーツクラブが中学校部活動の地域移行の受け皿の一つとされていること及び令和7年度までが国の中学校部活動の地域移行改革推進期間であることを踏まえ、今年度、令和6年度から新たに総合型地域スポーツクラブの質的充実への取組を強化しており、令和7年度においても今年度とほぼ同額の1304万2000円を計上しているところです。

    具体の事業としましては、令和6年度に引き続き、地域連携・地域移行専属のクラブアドバイザーを設置し、中学校運動部向け総合型地域スポーツクラブの体験会の開催や県外の先進的な事例の視察などを実施することとしています。

    さらに事業内容の一部を見直し、クラブ指導者の専門資格取得に必要な受講料等の支援、クラブ指導者や運営スタッフを対象とした中学生の指導方法・安全管理等の研修会に係る経費などへの支援等を新たに計上しているところでございます。総合型地域スポーツクラブなどの声も聴きながら、こうした事業を行うことで一つでも多くの総合型地域スポーツクラブが中学校部活動の受け皿の一つとなれるよう、スポーツ推進局としましては教育委員会や県スポーツ協会と連携し取り組んでいきたいと考えています。

    【質問】

    局長、ありがとうございました。

    総合型地域スポーツクラブは、今、お答えをしていただいたように、スポーツ推進局として質であるとか充実を図るというふうなことで一生懸命していただいているのは理解をいたしました。

    ただ、この地域連携・地域移行という今回の改革を10とするならば、現在の進捗からすると1に行くか行かないかではないかと私は思っております。県内にある11の総合型地域スポーツクラブのうち、学校部活動のように様々な種目があるのは2クラブだけです。なぜ広がらないのかは、やはり指導者、担い手の確保という大きな問題です。

    この問題を解決するために質疑を深めていきたいと思います。

    中学校部活動の地域移行は二つの側面があります。一つは競技スポーツの裾野の拡大、もう一つは地域の活性化です。競技スポーツは裾野を広げてより多くの子どもたちがアスリートとして競技に取り組んでもらうことが競技力向上に直結をします。2035年の三重国スポに向け少年選手の強化を考えたときに、10年後に高校生となる現在の小学校2年生の子どもたちに競技をやってもらわなければいけません。競技団体はそこを見越してジュニアの強化を行います。競技団体が小学生におけるスポーツ少年団やジュニアクラブに力を入れるのは、競技団体における競技力向上対策だからです。ジュニア指導に力を入れてアスリートとして育まれた小学生は中学校に上がり、一部の種目以外のほとんどの競技の子どもたちは学校部活動に入ります。

    そこで中学校から競技を始めた友達の相手をしたり教えたりしながら、大切なことを学び得ることができます。人間的に成長したジュニアトップアスリートは多くの仲間の応援を得ながら、仲間に力をもらいながら高校へ進学し、国スポや全国世界大会で活躍するわけです。

    中学生部活動は小学校性のジュニア指導から引き継いで、多感な中学生時代に教育によって人間形成が行われて高校につなぐという非常に重要な役割があります。この中学校部活の地域移行が始まって数年がたちますが、まだまだ課題は山積し、本来の望ましい姿に至るにはほど遠い現状にあります。令和8年から地域部活動が完全実施となる中で、この現状に危機感を募らせる競技団体が出てきました。私もその一人です。

    部活動の地域移行を進めるに当たっては様々な課題がございますが、その最大の課題と言えるのが地域における学校の教員に代わる担い手、教育者、指導者の確保となります。繰り返しになりましたが。ここまでの教育委員会の努力によって各市町での議論は進み、やり方はまちまちですが、地域での受け皿が各市町で議論され計画されつつあります。大変な労力を要したと思います。

    しかし、そこには大きな壁が立ちはだかっています。今、ここで必要な市町支援というのは、三重県スポーツ協会傘下の競技団体や体育協会との連帯による指導者の確保、指導者に対しての十分な報酬が支払われる仕組みです。これがあれば地域移行は一気に進むと感じています。これまでの競技力向上対策としてジュニア強化に予算が組まれて使われていると思います。各競技団体においては、県からの強化費を中学校部活動の地域連携・地域移行に使っていかなければならないというふうに思っております。

    令和7年度のジュニア強化の予算の概要とその予算が学校部活動の地域連携・地域移行につながるものなのかをスポーツ推進局長に改めてお伺いいたします。

     

    【地域連携・交通部スポーツ推進局長答弁】

    ジュニア選手の競技力の維持・向上につきましては、恒常的に取組を進めていくことが重要であると考えており、中でも将来の競技スポーツの担い手となるジュニア選手の発掘・育成に注力していく必要があります。

    県では、競技団体が実施するジュニア選手の発掘育成活動や小学生の育成拠点となるジュニアクラブ、例えば卓球とか体操などですが、それらの活動を支援しているところであり、この中においては指導者の招聘に係る報償費等も対象経費としております。

    このほか県では、指導者育成の取組において学校部活動の指導者だけではなくて、ジュニアクラブの指導者なども対象に養成を図っており、引き続き競技力の維持向上のため、これまで取り組んできましたノウハウを生かしながら、将来を担うジュニア選手の発掘育成に計画的に取り組むことが中学校の部活動の地域移行・地域連携に資するものと考えています。

     

    【意見要望】

    局長、ありがとうございました。

    強化費のほうが中学校部活動の地域連携・地域移行に使えるのかというふうな私の質問に対して、強化をしっかりと進める中でそういうふうなものにつながればというふうな御答弁だったということは、使っても問題はないというふうに捉えることができるのかなと。それは競技団体の判断によると思うんですけれども。

    この質問をさせてもらう背景には、四日市市が体協と連携をしまして競技団体が指導者を派遣をしております。私が所属するソフトテニス連盟も指導者派遣をしております。何が起こっているかというと、自分の練習を土日にしておりましたが、もう中学校の指導に当たりたいということが起こっているんです。

    これはなぜかというと、時給、お金じゃないんですけれども、時給1600円が報酬として払われるということがあります。中学校の指導を一旦してみると、中学生の指導が非常に面白い、子どもたちと共に成長できるというふうなこともありまして、その報酬の魅力を超えてやりがいというふうな部分が生まれて、今、四日市では我もが指導に行きたいというふうなことが起こっております。

    ですので、報酬というふうな部分をいかに捻出をするのか、そこがあれば一気に転げると思いますので、さらなる熱をここでつくり上げていただきたいなというふうに思います。

    私は競技団体のほうに確認をいたしました。市町から委託がなされれば必要な地域に必要な指導者を派遣することは、競技種目にもよりますが、十分に可能であることということでした。また、競技種目に応じて指導者となるべき人材を確保したり育成したりすることはできるし、やりますということです。

    もう一つの側面について話をさせていただきます。地域の活性化ですが、中学校施設は現在子どもたちの部活動がありますので、休日における昼間の地域開放は行っておりません。夜間においては実に様々なスポーツを地域の有志クラブが毎日使用しているところばかりです。学校施設を地域部活動に開放して地域スポーツと文化の推進、それから地域のつながり強化、コミュニティーによる災害防災対策につなげていくことで命を守り、健康と生きがいの増進が図られ、地域の活性化の起爆剤となると考える首長は私はたくさんいると思います。この側面においても中学校部活動の地域連携・地域移行は重要です。スポーツや文化活動を通して地域の活性化を図るためには、受け皿としての学校施設の開放と担い手確保は、部活の地域連携・地域移行の肝となるところだと思います。

    地域スポーツとそれによる地域活性化を推進しているのは、スポーツ推進局で、その目的を達成するには教育委員会が所管する学校施設の開放が必要不可欠です。すみません。もう一回言わせてください。地域スポーツとそれによる地域活性化を推進しているのはスポーツ推進局ですが、その目的を達成するためには、教育委員会が所管する学校施設の開放というのが必要不可欠です。教育委員会としては、中学校部活動の地域移行は人材確保と直結する教職員の働き方改革が大きく絡んだ目の前の子どもたちが豊かに育つ、目の前の子どもたちを笑顔にするための命題と言え、それを実現するためには、スポーツ推進局が所管する三重県スポーツ協会と共に指導者の確保が必要不可欠です。

    ということは、スポーツ推進局と教育委員会が本当に連携、連帯をして、2階と7階とちょっと遠いですけれども、本当に連携、密にしていただきながら、引き続きしっかりコミュニケーションを取っていただき、コミュニケーションを取ることで何とか三重の子どもたちのために共に汗をかこうというような思いの共有を図っていただき、それぞれの主体的な事業展開によって推進と促進、その連携がより密に図られ、部活動の地域移行が進むよう取り組んでいただくことをお願いを申し上げまして、どうぞよろしくお願いします。

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